作り手の紹介—ささべじvol.2—

「農業はゴールがないから続けられるんですよね。難しいから、挑戦し続けられるんです」

笹本さんに、決して楽ではない農業を10年にわたり地道に続けられている訳を尋ねると、そう答えてくれました。


 笹本さんが栽培する野菜は、定番はありつつも毎年決まった品種ではありません。例えば、最初はなすやピーマン、きゅうりなどを生産していましたが、スーパーで定番の品種は地元ではあまり需要がありません。お客様との距離が近い直接販売という利点を生かし、お客様の声に応じて様々な品種の栽培に挑戦し、少しずつ栽培する野菜の種類を変化させています。安定して農業を続けるためには、変化していくことを避けられません。昔から人々の生活の中にあって不変にも思える農業ですが、常に誰かがチャレンジをして、変化していかなければ業界自体が停滞してしまいます。“安定”と“変化”が隣り合わせであることを、笹本さんは教えてくれました。


 

日々チャレンジを続ける笹本さんにとって、今回のkarahéのプロジェクトでのハーブ栽培もまた、新たな挑戦でした。さらに、食用ではなく化粧品用であることも、今までにはない経験で、相談を受けたときからおもしろいと感じていたそう。


 

実際に、ローズゼラニウムを育ててみて、まずは純粋にその香りの良さに感動したといいます。手入れをする時も、ついついローズゼラニウムの葉を触って香りを嗅いでしまうほど。少し摘んで車に置いておくなど、気がつけば日常生活にもハーブを取り入れるようになっていました。野菜に比べて、栽培がしやすいことも魅力的で、他のハーブの栽培にも興味が湧いているといいます。

 

ささべじさんのご紹介は次回で最後です。専業農家としての笹本さんのこれからのビジョンを伺いました。

← 前の記事 次の記事 →