こんにちは、karahéです。
今回は「地域のよいもの・よいこと」のご紹介、第3弾。
岐阜県海津市で「ハリヨの柿酢」をつくっている「株式会社リバークレス」さんにお話を伺いました。
柿酢とは柿の実を発酵、熟成させてつくられる果実酢です。
ブランド名の「ハリヨの柿酢」は、海津に生息する天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚「ハリヨ」に由来しています。「ハリヨは美しい自然環境でしか生きられないため、ハリヨの柿酢の事業を通して、貴重な海津の地域環境を守っていきたい」と語るのは、株式会社リバークレスの代表を務める伊藤さん。もともとは東京でITコンサルティング企業に勤めており、2007年にコンサルティング会社「株式会社リバークレス」として独立。柿酢の事業は、コンサルティング業の傍ら、2016年にスタートしました。
柿酢づくりのきっかけは「地域活性」に関心を持ち、生まれ育った海津市で自分にも何かできないかと考えたこと。海津市は昔から柿の生産が盛んで、伊藤さんのご実家にも柿畑がありました。そこで、まずは耕作放棄地となっていた柿畑を手入れすることからスタートし、その柿畑で栽培した柿の活用方法を模索する中でたどり着いたのが“柿酢“でした。当時、全国的な健康ブームで果実酢が流行していましたが、柿を使ったものは少ない、ということに着目したのです。
柿は日本人にとって身近すぎることから、あまりフォーカスされることがありませんでした。しかし、商品開発の過程では、美肌成分や健康維持に有効なアミノ酸が豊富であること、料理の味を引き締める効果があることなど、さまざまな魅力を秘めていることがわかり、伊藤さん自身もその魅力に引き込まれていきました。本格的に商品化するにあたってはJA西美濃南濃柿部会と連携し、規格外の柿を提供してもらうことで廃棄されてしまう柿の有効活用にも繋げています。
柿酢は、醸造を始めてから3〜4年をかけてようやく市場に出すことができます。気候や熟成期間によって、その年ごとで微妙に風味が変化するため、パッケージにはビンテージワインのように仕込んだ年の年号が記されており、味や香りの違いも楽しんでほしいといいます。できあがった柿酢には、まさに、海津の風土までが醸されているのですね。
次回は、リバークレスさんが柿酢の製造を通して取り組まれている、資源を効率的に利用して付加価値を生み出す「サーキュラーエコノミー」についてお届けします。